健康増進に役立つ運動と言えば、従来はジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が推奨されていました。
しかし近年の公衆衛生学の分野では、新たに筋トレがトピックされています。
そのきっかけとなったのが、2017年にオーストリア、シドニー大学から発信された研究報告です。
その内容を要約すると次の様になります。
「週2回以上の筋トレは、がんの死亡率を3割減少させて、全ての病気による死亡率を2割減少させる。」
この様な効果はジムだけでなく、家で行うトレーニングでも同等に得られる。
更に、有酸素運動よりも筋トレの方が死亡率の軽減に効果がある。
研究報告では、筋トレを行う事で血圧低下、グルコース代謝の改善、全身性炎症の減少といった複合的な効果があることが分かっており、その結果として死亡率の軽減に寄与していると推測されています。
そして筋肉の収縮が全基礎代謝の40%を占めている為、体温が日常でも高い状態でいられます。
体温が1度上がるだけで、免疫力が22%も向上するのです。
又、筋肉は私たちの身体を作る原料となるアミノ酸の貯蔵庫となっています。
身体はアミノ酸が不足すると筋肉に貯められたアミノ酸を分解し、エネルギー源として活用します。
つまり、筋肉量が多いほど、沢山のアミノ酸を貯めることが出来るわけです。
病気やけがをした時、手術をした時などは、筋肉中のアミノ酸貯蔵庫が多い程、回復力が高くなり、けがの治りや手術の予後も良くなるといった研究報告も出されています。
筋トレがけがに効くということを示した研究報告は従来ありませんでした。
2017年の最新のエビデンスがもたらした新たな筋トレのメリットとして世界から注目を集めています。
まずは週に1回の筋トレから始めてみましょう!